転職・就職支援講座 正しい日本語 [応用編]

それでは先ほど学んだ「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」を実際に使用例を交えてご説明いたします。敬語に関わるビジネスマナーとともにしっかり勉強しましょう。

尊敬語と謙譲語を間違えないように

丁寧に話そうとするあまり、尊敬語と謙譲語が混乱して間違った使い方をしてしまう場合があります。正しい使い方をマスターしましょう。

  • 「お客様がそう申しましたが」
    申すは謙譲語なので×
  • 「お客様がそうおっしゃいましたが」
  • 「部長はお昼何にいたしますか」
    いたすは謙譲語なので×
  • 「部長はお昼何になさいますか」
  • 「課長まいりませんか」参るは謙譲語なので×
  • 「課長お出かけになりませんか」
  • 「社長はいつ拝読されました」
    拝読するは謙譲語なので×
  • 「社長はいつお読みになりました」

二重敬語は使わない

目上の人に使う尊敬語ですが、下記のタイプがあります。

  • 「れる」「られる」の助動詞をつけるタイプ
    (聞かれる・来られる)
  • 「お…になる」のタイプ
    (お聞きになる・お読みになる)
  • 言葉自体が尊敬語のタイプ
    (なさる・おっしゃる)
  • 接頭語・接尾語をつけるタイプ
    (お手紙・母上)

例えば・・・

言葉自体が尊敬語の「おっしゃる(言う)」「られる」をつけると
「○○様がおっしゃられたように」となります。
これは尊敬語を二重に使ったことになり、二重敬語と言って間違った使い方になります。
この場合は「おっしゃるように」「言われたように」などの言い方が正しいのです。
次の使い方も二重敬語になりますので注意しましょう。

  • 「課長はゴルフをなさられないのですか?」
  • 「課長はゴルフをなさらないのですか?」
  • 「部長がお帰りになられましてから」
  • 「部長がお帰りになりましてから」
  • 「社長がいらっしゃられて」
  • 「社長がいらっしゃって」

職場でのマナー

名前の呼び方

肩書きのある人を呼ぶ時は、役職名でよびましょう。
「○○部長」「課長」「部長」「主任」「マネージャー」などを名前の後ろにつけると敬称といってそれだけで敬意をこめた言い方になります。役職の下に「さん」をつけるのは間違いです。×「○○社長さん」職場の先輩や年上の人、女性には「○○さん」と「さん」をつけましょう。

身内のことを話すときは謙譲語で

身内(自分の家族)のことを話すときは謙譲語を使いましょう。

  • 「わたくしのお父さんがよろしくとおっしゃっていました」
  • 「わたくしの父がよろしくと申しておりました

社外の人に対しては、社内の人に(たとえ上司であっても)敬称や尊敬語は使わない

  • 「○○課長が」敬称
  • お客様の前では「課長の○○が」と使う
  • 「○○さんが」
  • 「○○が」
  • 「○○社長がおっしゃるには…」(社外のことを話すならこれでOK)
  • 「社長の○○が申すには…」(自社のことを社外の人に話すならこちらです)

※社外の人=社内の人のご家族や近親者の方の場合はもちろん敬語を使ってください。

知っておいて損は無い「クッション言葉」

クッション言葉とは言葉の間に挟むことで、言葉をやわらげソフトな表現にする便利なことばです。また、いいにくい言葉を伝えるときにクッション言葉を一言添えるだけで、人間関係を壊さないように配慮することができます。

クッション言葉

尋ねる時 ●恐れ入りますが
●失礼ですが
依頼する時 ●恐れ入りますが
●お手数ですが
●ご迷惑をおかけしますが
●よろしければ(もしよろしければ)
●申し訳ありませんが
●おさしつかえなければ
●ご面倒ですが
要望に応じること
ができない時
●申し訳ございませんが
●あいにくですが
●せっかくですが
●残念ながら
●ご期待に添えず誠に申し訳ございませんが
●身にあまるお話ですが
その他 ●いつもお世話になっております
●お時間をいただけますなら
●お言葉を返すようですが

使用例

  • 恐れ入りますが、○○様はいらっしゃいますか
  • 失礼ですが、○○課長でいらっしゃいますか
  • 申し訳ありませんが、明日のお約束を3時に変更していただけないでしょうか
  • 身に余るお話ですが、今回は辞退いたします
  • お言葉をかえすようですが、わたくしはこのように感じます

「~してください」「~お願いします」などの依頼の言葉は言い切る形よりも、「~していただけますでしょうか」「~お願いしてよろしいでしょうか」と投げかけるほうが、ソフトな表現になります。

文法の時間のようになってしまいましたが、敬語とはコミュニケーションの第一歩、話術を磨く為にもとにかく実際に声にだして使ってみましょう。習うより慣れろです。使い慣れれば、頭で考えるより先に言葉がでてくるようになるでしょう。